民間療法ですっきり

 挙式を終えて一旦は清州の街に戻ってきたオレ達。今いるメンバーは、いつもお世話になってるキムちゃんと彼氏のジョンファン、日本語が異様に上手いスゴンとその彼女のウンジェ、大阪系おちゃめギャルのウンヨン、おしとやかなジソン、よく気がきくヒュンソク、そしてnoriさんbenちゃんの合計9人。

 これからどうするかと考えていると、どうもウンジェの体調が良くないようだ。「ライター持ってます?」とヒュンソクが聞いてきた「あるけど、どうして?」noriさんがライターをヒュンソクに貸してあげると、針を火であぶりだした。「これで殺菌します」「あの…殺菌って…」ヒュンソクはウンジェの腕を2,3回バンバンたたき続いて親指を糸でぐるぐる巻きにしだしす「ま、まさか…」すると丁度親指の爪の真横あたりに針をグサッと刺した。「うわぁぁ痛たぁぁ」と思わず彼女が…ではなくnoriさんが声を漏らす。真っ赤な血の玉がにじみ出てくる。「これは韓国の民間療法です」そっそうなのか、そのツボは憶えておこう、ただし指圧するだけにしておくが…(笑)。



・さてこれからどうするか… ・急きょウンジェの治療だ ・針を刺すと真っ赤な血が ・治りました(笑)

韓国式料理屋ナムクン

 ウンジェの体調はすっかり快復し、清州郊外にある韓国式料理屋に行くことにした。そこには昔ながらの韓国式家屋を再現した料理屋が数軒並んでおり、その敷地内には小さい池や小動物などもいて、韓国伝統のシーソーやブランコ、韓国式味噌の樽なども置かれているというちょっとした民族テーマパークのような感じ。オレ達はここで無邪気な子供のように遊んだ。ここでの料理は麦ご飯(ポリパプ)などの健康食品を使ったモメチョッタ(体に良い)な食べ物が食べられる。さんざん遊んで食事をした後は、店でお芋をもらい外のドラム缶の焚き火で焼いて食べる。夕暮れせまる中こうして焚き火を囲んで話をしていると、なんだかみんなのことが昔からの友達だったような錯覚さえしてくる気がした。

 

戦時下を生き抜いた親日家おばあさん

 翌日、清州を離れたnoriさんとbenちゃんは今夜の宿を探すためソウルの地下鉄に乗っていた。すると隣に座っていたおばあさんが、
「日本の方ですか?」と綺麗な日本語で話しかけてきた
「はいそうですけど」
「いやね日本語の地図を見ていたからひょっとしたらと思って話しかけちゃったんだけどね、私は日本の教育を受けてきたから今でも日本語の方がスラスラ読めるの。ソウルにあった学校で勉強した後に日本の女学校に留学して、下宿の人達にも仲良くしてもらって本当に楽しかった。日本と韓国には歴史的にいろいろと問題はあるけれども、私にとって日本は第二の故郷なのよ」

「失礼ですけど今おいくつでいらっしゃいますか?」

「80歳、大正9年生まれよ、だから昭和は私の時代なの」はきはきと喋り赤い服に赤いベレー帽をかぶったおばあさんはとても若々しくみえた。
「今でも、日本の方を見ると声をかけたくなったり通訳してあげようかなと思うの、でも迷惑じゃないかなとも思ってね」「私は3年前に日本に旅行に行って、福岡、大阪、京都といろいろと廻ってきた」今日もこれから東大門にある古本屋に日本の小説を買いに行くところだと言う。やがて、おばあさんが降りる駅に来てしまった「じゃあいい旅行をしてね、今日はありがとうね」握手をした手を何度も振りながら電車を降りていった。

 台湾でも、同じような経験をしたことがあるnoriさんbenちゃんだが、まさか韓国でも当時の日本を懐かしみ、日本を愛してくれている人に会うとは思っていなかった。今回のおばあさんとの出会いは、実体験としての貴重な話が聞けた。こちらの方が何度もありがとうと言いたい気持ちだった。是非、日本の公の場でもその話を日韓友好の為にも語っていただきたい。そういった体験談が失われてしまう前に…。


・ディープな市場を散策 ・変わり果てたブーフーウー ・屋台で昼飯 ・さらばソウルよ

 


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